必要貯蓄率の計算-2
前項から続きます。次に「年金額(P)」を入れます。年金額は今後減ることが予想されていますので、やや厳しめにして、会社員の場合は「手取り年収」×0.3で計算しましょう。例では500万円×0.3=150万円とします。自営業の場合は「手取り年収」×0.1で計算してみてください。そして、分子全体を計算しましょう。例では、350万円—150万円−22万円=178万円です。最終分子は178万円となります。
分母に移ります。今後何年働くか「現役年数(a)」を入れます。35歳の人が65歳まで働くとすれば「30」になります。例では「30年」にします。「現役年数(a)」÷「老後年数(b)」を計算します。例では、30年÷30年ですから1になります。
この数字に「老後生活比率(x)」を足します。例では、1+0.7=1.7になります。この数字に、「手取り年収(Y)」をかけます。これが最終分母の数字です。例では、1.7×500万円=850万円になります。
最後に分子を分母で割ってください。例では、178万円÷850万円=0.21で、必要貯蓄率は21.7%です。これがあなたの必要貯蓄率ということになります。
これでおわかりだと思いますが「老後生活比率(x)」次第でかなり必要貯蓄率は変ってくるのです。ちなみに「老後生活比率(x)」を「0.6」にすれば、必要貯蓄率は16.0%まで下がります。こうして必要貯蓄率が計算できたら、手取り年収とかけてみましょう。
例では、500万円×0.217=108.5万円となります。12ヶ月で等分したら、毎月約9万円を貯蓄していかなければならないことになります。
結構きつい金額ですが、退職金があるなら、その金額を「現在資産額」に加えてみましょう。退職金が1500万円あれば、必要貯蓄率は、16.0%に下がります。このように、いろいろなケースで計算をしてみてください。何はともあれ、自身の経済的現実はここにあるということです。